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パワードブック5 隣は何を観る人ぞ

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【今月の映画2000本ノック】(2009年04月)

2009/05/06 10:18
1860『スターシップ・トゥルーパーズ3』☆☆☆★
・2009年4月26日(初見・字幕・レンタルDVD)
「1」の正統な続編という感じでジョニー・リコがついに「マローダー」で登場。ただし「信仰」をテーマにした今回の作品はどこまで嗤っていいかわからない不気味さがある。

1859『アフタースクール』☆☆☆★★★
・2009年4月25日(初見・邦画・レンタルDVD)
内田けんじの「物騙る力」が爆発。しかも映画でしかできない騙り方なのですばらしい。思わずコメンタリーを聞きながら再見してしまった。劇場で見逃したのを悔やんでいたがむしろDVDで観るほうが欲求不満は残らないかもしれない。キャストはグレードアップしたが、大した予算もかけずに1時間45分を楽しませる力量はもっと評価されるべき。

1858『ULTRAMAN』☆☆☆★
・2009年4月25日(初見・邦画・レンタルビデオ)
平成以降のウルトラシリーズの1つの到達点を期待して観たが、ホラの吹き方は80年代のハリウッドレベル。特にスケール感を出すのが下手で、前半は仮面ライダーシリーズを見ているようだった。クライマックスの空中戦はそれなりに力が入っていて、都市との比率がよくわかった。音楽や設定の一部はいいが、ザ・ワンはベムラーでよかったのでは?

1857『ウォッチメン』☆☆☆★(劇場鑑賞9本目)
・2009年4月18日(初見・字幕・ワーナーマイカル浦和美園)
ある種の偶像破壊的なアメコミの「陰画」。とはいえ2時間40分もかけずともタイトルバックで十分にその意図は達成されている。「ドクター・マンハッタン」の力でベトナム戦争に勝利し、ニクソンが三選を果たしたアメリカでは「キーン条例」によってヒーローの活躍が規制されている。そんな中でヒーロー狩りとも思える殺人事件が発生する。6人のウォッチメンの描き方はまさに「海外ドラマ」的で、1シーズンの総集編を見た感じ。

1856『フィクサー』☆☆☆★★
・2009年4月12日(初見・字幕・レンタルDVD)
農薬汚染をめぐる大型訴訟で企業側の担当弁護士が真実に目覚めてしまい、その後処理に追われる男の話。法廷弁護士を外されて掃除屋をやっている本人もレストラン経営に失敗して借金を抱えている。ジョージ・クルーニーにしてはリアルでシビアな役どころだが。話そのものにものすごい新鮮さがあるわけではなかった。そういう意味で期待が大きすぎた。ティルダ・スウィントンもこのチョイ役でアカデミー賞というのは儲けものだった。

1855『チェンジリング』(劇場鑑賞8本目)
・2009年4月11日(初見・字幕・渋谷東急)
『グラン・トリノ』公開前に再映されて何とかつかまえた。あやうく傑作を見逃すところだった。単なる「取替え子」事件を超える話の深さに、まったく先の予測がつかない。アンジェリーナ・ジョリー主演作としてはおそらく最上の出来だろうし、イーストウッドも現段階では監督としての評価の方が上回ってしまった。これで『グラン・トリノ』がますます楽しみになった。ジョン・マルコヴィッチの演技を怪しんだのは深読みすぎだった。
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【今月の映画2000本ノック】(2009年03月)

2009/04/12 11:02
1854『鑑識・米沢守の事件簿』☆☆☆★(劇場鑑賞7本目)
・2009年3月29日(初見・邦画・ワーナーマイカル浦和美園)
懸念していたとおり残念な内容に終わった。ストーリー自体は「妻が夫に何を相談しようとしていたか」という仮説が何度も覆されていく構造なのだが、キャスティングの薄さか演出の弱さか、TVスペシャルレベルの出来栄え。同じ日に地上波で初放送された「劇場版」には、わざわざ前フリの追加撮影をしているぐらいだから、もっと本来の「相棒」の出番が多くてもよかった。結局、無理に米沢に「相棒」を与えようとしたことが敗因か。

1853『ルパン三世VS.名探偵コナン』☆☆☆★★
・2009年3月29日(初見・吹替・TV)
作画的にはルパンの世界観にコナンが招かれたイメージ。期待せずに観始め、前半の「東京編」は少々つらかったものの、後半の「ヴェスパニア王国編」から登場人物の出し入れが巧みになり、だんだんと引き込まれていった。主役の重責から離れたせいかルパン一家の溌剌さ(特に次元)はびっくりするほどで、「意外性」と「リスペクト」のバランスも悪くない。よくある「VS.」モノとしては非常に高い水準。W大野の音楽も良かった。

1852『チーム・バチスタの栄光』☆☆☆★
・2009年3月28日(初見・邦画・レンタルDVD)
殺害方法も医師ならではの視点だし、動機も実は深刻な医療問題に裏打ちされている気がする。「術死」にまつわる真相が2段階に明らかになる展開も秀逸。とはいえ前半のユルさは厳しくて、吉川晃司がいちばんの好演に見えるほど、深みのある人物が出てこない。ひょっとするとこの映画の主役は、映画史に残る登場回数を誇る「心臓」かもしれない。

1851『おくりびと』☆☆☆★★
・2009年3月22日(初見・邦画・レンタルDVD)
仮に「納棺師」についてのドキュメンタリーなどを観て「情報」を得ていたりすると、後に残るのは意外とオーソドックスなストーリーのみ。アカデミー賞を受賞したのは快挙だが、邦画史に残る完成度かといわれれば躊躇してしまう。広末涼子が「普通」になった。

1850『ラッキー・ユー』☆☆☆★
・2009年3月21日(初見・字幕・ぽすれん)
エリック・ロスの脚本に期待したが、いささか冗長。少なくともゴルフの賭けのシーンは不要だろう。『ハスラー』のようなシビアさもない。何しろ2003年を境にポーカーはスポーツに変わったらしいのだ。主演のエリック・バナには相変わらず華がないのだが、一方でドリュー・バリモアは今まで見た中で一番好感が持てた。今後はかつてのスーザン・サランドンのような位置づけでやっていけるのではないか。もったいない作品だった。

1849『ありふれた奇跡』☆☆☆☆
・2009年3月21日(初見・ドラマ・全11回)
倉本聰につづいて山田太一も最後の連ドラだという。「見届ける」つもりでつきあったが、ドラマの巨匠の「直球」にはまったく衰えがなくて驚いた。最初のうちは「山田節」についていけなかった仲間由紀恵も、後半は自分自身のキャラを演じるような臭さが解消された。井川比佐志を筆頭に他の配役は申し分なく、フジテレビの開局50周年を飾った。

1848『相棒Z』☆☆☆★★
・2009年3月20日(初見・ドラマ・全19回)
『還流』前後編で瀬戸内米蔵がいなくなり、『レベル4』前後編(案の定「土ワイ」の「特別編」に話がつながっていた)では亀山薫がまさかのシーズン途中での卒業。その後3ヶ月間「相棒」不在のままで、最終話『特命』でようやく及川光博が登場するまで、主要なエピソードはすべて輿水泰弘が担当、シリーズ全体として大きな舵取りをやりとげた。だが、その分櫻井武晴(第18話しか面白くなかった)らの印象は薄く、シーズン6最終回での期待がどれだけ満たされたかは疑問だ。次の期待は右京の「暴力的な正義」をいかに神戸尊が利用していくかにあるが、その期待は果たしてどこまで叶えられるだろうか。

1847『ミスト』☆☆☆★★
・2009年3月15日(初見・字幕・ぽすれん)
『鳥』のような「寓話」かと思っていたら実は「ハウツー本」だったという印象。本当に語りたかったことを語ったラストだったのか、それとも興行的な要請だったのか。まあ、そもそもそういうところが気になってしまう時点で失敗だと思う。ただ、場所を限定したシナリオと演出の力量はものすごい。トーマス・ジェーンはトム・ハンクスに似ている。

1846『最高の人生の見つけ方』☆☆☆★★★
・2009年3月14日(初見・字幕・ぽすれん)
これ以上のキャスティングはないが、強いていうならショーン・コネリー版を想像するのも面白い。ロブ・ライナーの演出のテンポは相変わらず「序破急」といった感じで非常にコンパクトだが、今回は画面の豪華さがすごい。まだ次がありそうなので評価は控えめ。

1845『相棒DS』☆☆☆★★
・2009年3月8日(初見・ゲーム・DS)
ドラマモードは「残照」「殺意の琴線」「遺志」の3話。ゲームとしての難易度は0なので7時間で終了。ちょうど2時間スペシャルを3本観たぐらいのボリュームで週末の時間つぶしにはちょうどいい。ドラマの脚本家はまったく参加していないが、話の展開も舞台の設定も実写のキャストも雰囲気を押さえている。右京に似たキャラの税務署員がいい。

1844『第81回アカデミー賞受賞式総集編』
・2009年3月7日(初見・字幕・BS2)
どこまで制作費が下がったのかわからないが、金よりヒトという発想は悪くない。ヒュー・ジャックマンとアン・ハサウェイの歌は層の厚さを感じさせた。プレゼンターも5人に増えて豪華な感じ。個人的にはミッキー・ロークが受賞すれば強く記憶に残ったのだが。

1843『007/慰めの報酬』(劇場鑑賞)
・2009年3月1日(3回目・字幕・ワーナーマイカル浦和美園)
日本でのランキングは1位→3位→5位→6位→9位→圏外。先行上映はおそらく何が何でも初登場1位にしたかったからだろう。9位の週の1位は『チェンジリング』だった。「何かにぶつかる」「物を放り投げる」は前作同様の役作りだが、今回は「車のトランクを開ける」が3回繰り返される。『リビング・デイライツ』の「トイレ」を思い出した。
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【今月の映画2000本ノック】(2009年02月)

2009/03/15 13:19
1842『あるスキャンダルの覚え書き』☆☆☆★
・2009年2月22日(初見・字幕・ぽすれん)
2大女優のささやかな競演。展開は早いが、ハリウッドでリメイクしたらあるいはサイコサスペンスになってしまうところを、『仕立て屋の恋』に近い突き放し方で抑えている。

1841『7つの贈り物』☆☆☆★★(劇場鑑賞6本目)
・2009年2月22日(初見・字幕・ワーナーマイカル浦和美園)
主人公の目的を最後まで謎として引っ張っているが、冒頭のシーンと「原題」を合わせて考えると15分ぐらいで見当がついてしまう。だとしたらいっそのこと初めから目的を明かして語った方がよかったのではないか。最後には泣かされるが完全にすっきりしない。

1840『ベンジャミン・バトン 数奇な人生』☆☆☆★★★(劇場鑑賞5本目)
・2009年2月15日(初見・字幕・ワーナーマイカル浦和美園)
『フォレスト・ガンプ』の再現がかなり意識的に行われている。それにしてもこの恐るべき「年齢」の描き方は果たしてメイクアップ技術なのか、CG技術なのか。観る年齢によって評価が変わりそうなので今回はこの点数。フィンチャー映画としては1つの到達点。

1839『007/カジノ・ロワイヤル スペシャル・エディション』
・2009年2月11日(初見・字幕・DVD)
3枚組での再発版の3枚目を初見。メイキング映像が充実。特に「3回目の映像化」「3度目のバハマ」「3度目のヴェニス」というコンテクストに沿った裏話が非常に面白い。

1838『リトル・ミス・サンシャイン』☆☆☆★★★
・2009年2月8日(初見・字幕・ぽすれん)
オリーヴ役の子役のあまりにも「無垢」な演技に、なぜか『バグダッド・カフェ』を思い出してしまった。家族6人の旅行だがVWのポンコツのバスが7人目の存在ともいえる。

1837『レボリューショナリー・ロード/燃え尽きるまで』☆☆☆★(劇場鑑賞4本目)
・2009年2月1日(初見・字幕・ワーナーマイカル浦和美園)
『タイタニック』の2人が久々に競演したラブストーリーを期待した客にはあまりに酷な映画。ハリウッド版『死の棘』ともいえる。サム・メンデスらしい演出も特に見られず。

1836『野獣狩り』☆☆☆★
・2009年2月1日(初見・邦画・スカパー)
君塚良一が絶賛しなければ決して日の目を見ることはなかっただろう。確かにストーリーは先読みを許さない。藤岡弘がビルの屋上で見せるアクションは久々に手に汗を握った。
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【今月の映画2000本ノック】(2009年01月)

2009/02/01 14:24
1835『007/慰めの報酬』
・2008年1月26日(再見・字幕・丸の内ルーブル)
『週刊文春』ではおすぎだけが満点をつけ、クレイグを表紙に描いた『ぴあ』では「レトロモダン」と評価していた。『Pen』と『GQ』が特集を組み、銀座のソニービルでは「TRIAL TO 007」というイベントを開催。無事に日本でも初週1位を獲得。この時期の公開はあながち悪い選択ではなかったかもしれない。「サロンパス」の冠がとれた丸の内ルーブルは平日の夕方なのに6割の入りだった。ようやくシナリオの細かい仕掛けがわかってきたが、いっそのこと「日本語吹き替え版」を作ってもらいたいものだ。

1834『誰も守ってくれない』☆☆☆★★★(劇場鑑賞3本目)
・2008年1月25日(初見・邦画・ワーナーマイカル浦和美園)
確かに映画にするなら「ヒロイン」は木村佳乃より志田未来だろう。加害者の家族の保護という視点を見つけただけですごい映画だ。「刑事モノ」という範疇は完全に超えているのだが「君塚監督」ブランドとしてはまだ演出スタイルが確立されていない憾みが残る。

1833『誰も守れない』☆☆☆★★
・2008年1月24日(初見・ドラマ・TV)
流行りの「エピソードゼロ」ドラマだが、本編との連携度合いの気合が違う。これと2本立てで公開してもよかったのではないか。今回は精神科医の木村佳乃を守る仕事だが、事件の解決より、松田龍平演じる三島刑事がシャブ漬けにされるシーンが白眉。『フレンチ・コネクション2』を彷彿とさせた。中盤までは本編より面白いのではと心配になった。

1832『天才刑事野呂盆六V 復讐の天使』☆☆☆★
・2008年1月18日(初見・ドラマ・TV)
副題でほぼ犯人も動機もわかってしまうが、話の主眼はそこにはない。双子の姉妹という設定が中盤で明かされるのが証拠。面白いのは、主犯がどちらで、今盆六と話しているのがどちらかさえわからない状況。「三ツ星のほくろ」と「赤い蝶の痣」が小道具になる。

1831『相棒 −劇場版−』☆☆☆★★
・2008年1月18日(再見・邦画・ぽすれん)
犯人を知った状態で観ると、初見ほど全体的な違和感はなかった。とはいえ実行犯と首謀者の関係、どこまでがどちらの発案だったかによって、やはり「事件としての統一性」がだいぶ変わってくるような気がする。そういう部分で説明不足。柏原崇が浮かばれない。

1830『007/慰めの報酬』☆☆☆★★(劇場鑑賞2本目)
・2009年1月17日(初見・字幕・渋谷TOEIA)
先行上映だったので開始45分前に30人ほど並んでいた。戸田奈津子の字幕はひどくなる一方だし、上映自体もあまりよくなかったが、9割方入った映画館で観るのは楽しい。前作は評価をつけなかったが、今回はあえてこの点数。「消されたライセンス2」といってもいいような内容だが、詳細を論じるのは別の機会にする。「偶数代目ボンド3度目の挑戦」はかろうじてクリアされたといっていいので、とにかくクレイグ=ボンドの3作目に期待しよう。前作が史上最長だったのに対して、今回は『ドクター・ノオ』『ゴールドフィンガー』を下回る最短の1時間46分。興収をとことん意識している。アクションは盛り沢山だし、前作の遺恨はすべて晴らしてくれるので、さほど短くは感じない。字幕やガンバレル・ロゴの位置づけなども考えつくしているが、残念ながらこの作品オリジナルのシーンとして記憶に残るところが少ない。強いていえばオペラ「トスカ」の会場が「組織(クォンタム)」の会議場になっているところか。かつてのスペクターのような「秘密基地」はもはやないのだ。ガジェットもなく、笑いもなく、アクションシーンは斬新だが「ボーン」シリーズでの既視感が強い。個人的には20年ぶりの「問題作」といいたい。

1829『ビッグ・トラブル』☆☆☆
・2009年1月12日(初見・字幕・ぽすれん)
タイトルに偽りはないが、いかんせんチリ・パーマーのいない『ゲット・ショーティ』のようなものでティム・アレンが奮闘しても85分も保たない。編集者の苦労が偲ばれる。

1828『悪魔の手毬唄』☆☆☆
・2009年1月10日(初見・ドラマ・TV)
星護演出、佐藤嗣麻子脚本による稲垣版、久々の第5弾。大空ゆかり役の山田優や貫禄のかたせ梨乃より、殺される側の多岐川華子、柴本幸(痣のある妹役)の印象の方が強い。

1827『レッド・クリフ PARTT』☆☆☆★★(劇場鑑賞1本目)
・2009年1月3日(初見・字幕・ワーナーマイカル浦和美園)
大河ドラマの総集編を観ている感じもあるが、字幕でていねいに補ってくれるのがいい。ハリウッドとは違うドラマツルギーで2時間半を保たせる。金城武もこっちの方がいい。

1826『福家警部補の挨拶・オッカムの剃刀』☆☆☆★
・2009年1月2日(初見・ドラマ・TV)
期待が大きすぎた。タバコとメガネを盗むことで被害者の行動をコントロールする展開は面白いし、動機にも奥行きがある。ただし、演出はフジテレビのようにうまくなかった。

1825『相棒 元日スペシャル ノアの方舟』☆☆☆★
・2009年1月2日(初見・ドラマ・TV)
エコテロリズムがテーマ。船内の7人の容疑者のなかにテログループのリーダーと犯人と真犯人がいる趣向は去年のバリエーション。謎のメモを読み違えて北新宿駅を捜索する展開は面白いが、いつもと同じ「受け渡し場所」をあえてメモにとるだろうか。選曲も悪くなく、多少冗長ではあるが正月らしい盛り上げで「相棒」なしで2時間半を持たせている。「バベルの塔」「ノアの方舟」ときたら、次は「カインとアベル」ではどうだろうか?

1824『ダイ・ハード4.0』☆☆☆☆
・2009年1月1日(再見・吹替・DVD)
なぜか大晦日から元旦にかけてこれを観た。DVDで野沢那智の吹替を聞くのははじめてだが、これが非常によかった。アクションだけでなく話芸の映画でもあることがわかる。
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【映画2000本ノック】2008年「−劇場版−」一覧

2009/01/03 10:00
▼参考までに2008年に劇場で観た映画評だけをまとめてみた。☆☆☆☆★(85点)の映画が3本(『ベオウルフ/呪われし勇者』、『インディ・ジョーンズ クリスタル・スカルの王国』、『ダークナイト』)もあるのは、ちょっと甘すぎたかもしれない。一方で、小泉尭史監督『明日への遺言』、天願大介監督『世界で一番美しい夜』、原田眞人監督『クライマーズ・ハイ』にそれぞれ☆☆☆★★★(75点)の評価を下せたことは、実は逆に喜ばしかった。まだまだ傑作を作る「余力」を感じたわけだからだ。

邦画は9本、「3D立体上映」は5本、宮崎監督作品はもはや点数をつけないことにしたので『崖の上のポニョ』を除いた32本の平均評価は☆☆☆★★(70点)だった。

1698『3D ベオウルフ/呪われし勇者』☆☆☆☆★(劇場鑑賞1本目・3D立体上映)
・2008年1月13日(初見・字幕・ワーナーマイカル浦和美園)
危うく映画の歴史の転換点を見逃すところだった。ハリウッドでもこの作品が大ヒットに至らなかったのは、あくまでも3D上映のための演出が徹底されているからだ。今までに映画を鑑賞する上で使ったことのない感覚が使われるので、ストーリー自体はこれぐらい単純でいい。すでに一部分で「目」の表現が本物に近づいているのを観て鳥肌が立った。『ジュラシック・パーク』から15年後、映像体験まで変化させたのはゼメキスだった。

1700『3D ルイスと未来泥棒』☆☆☆★(劇場鑑賞2本目・3D立体上映)
・2008年1月20日(初見・吹替・ワーナーマイカル浦和美園)
こちらもREAL−D方式。10組ほどの家族連れが来ていたが、タイムマシンのテーマもロビンソン家の1ダースの家族の描写も子供には少々わかりにくかっただろう。遠景が2Dだったりするので、どちらかというと「動く立体画」の域を出ず、また1700本目にして3D上映が完全にスタンダードになってしまったので、点数もかなり辛くなった。

1701『ナショナル・トレジャー/リンカーン暗殺者の日記』☆☆☆★★★(劇場鑑賞3本目)
・2008年1月26日(初見・字幕・渋東シネタワー)
安易に人が死なないのでゲイツがきわどく「法を犯して」もファミリービジネスがテーマとして成立する。今回はゲイツの両親も出揃って『インディ・ジョーンズ/最後の聖戦』や『トゥーム・レイダー』では到達できなかった展開を示し、またアメリカ史を深く掘り下げていく知的興奮も十分で、完全に前作を越えたといっていい。ブルース・グリーンウッド演じる大統領が示唆した「大統領の本」の47ページというのは3作目への布石か。

1710『バンテージ・ポイント』☆☆☆★★★(劇場鑑賞4本目)
・2008年3月8日(初見・字幕・渋谷TOEIA)
決して「藪の中」ではなく、ハリウッド映画らしい巧妙な仕掛けで話が進んでいく。大統領が「替え玉」であることが前宣伝でばれてしまったのはまずいなと思っていたらそれもひっくり返されて驚いた。結末は多少強引過ぎるが90分にまとめた潔さもある。デニス・クエイドが主演というのは嬉しいが、マシュー・フォックスと役柄が逆でもよかった。

1713『ライラの冒険 黄金の羅針盤』☆☆☆★(劇場鑑賞5本目)
・2008年3月14日(初見・字幕・MOVIX川口)
キャストに惹かれて観にいった。冒頭に3部作の構成について説明があり、最後まで映画化される保証はあるように思えたが、あまりに「第1部」色が濃くて不安になってきた。原作の書かれた時期のせいか、小説というよりゲームの映画化のような感じ。ストーリーの起伏、特に「谷」の部分が深くないのは、主人公の設定と「羅針盤」の力が安易に強いせいかもしれない。いずれにしてもこの第1部は「ヨロイグマ」が本当の主人公なのだ。

1716『明日への遺言』☆☆☆★★★(劇場鑑賞6本目)
・2008年3月22日(初見・邦画・渋谷東急)
題材が題材だけに予算的にも苦労した跡がある。フラッシュバックを一切用いらず、ある種の密室劇的に作られているので、役者にかかる負担も相当に重い。そういう意味で「穏やかな三船敏郎」としての寺尾聰に続いて、「飄々とした志村喬」としての藤田まことを得たキャスティングはなかなかよかった。期待以上に観客も入っていたのでホッとした。

1720『ジャンパー』☆☆☆★(劇場鑑賞7本目)
・2008年4月5日(初見・字幕・渋東シネタワー)
@「異能」にして「未熟者」のキャラクターという意味でヘイデン・クリステンセンは適役。彼はこの新たな「3部作」では無事に成長できるのだろうか?
A監督ダグ・リーマンはまたしても1本の映画では話を語りきれなかったようだが、今作の90分にも満たない尺はあまりにも短すぎる。
B「画作り」的には第2班監督サイモン・クレインの貢献もあってかなり新鮮だ。動体視力が追いつかない。東京のロケは銀座と渋谷が混じっている。

1723『ブラックサイト』☆☆☆★(劇場鑑賞8本目)
・2008年4月12日(初見・字幕・渋谷東急)
@2週に渡ってダイアン・レインの出演作を映画館で観る不思議さ。
A合計4回の殺しのアイディアは『ソウ』的で、しかもそれがネットで中継されるのだから、かつての『セブン』が品よく見えてくる。実際はどうなのかわからないが、FBIでも中継が止められないというのが怖い。
B最大の問題は犯人像。最初は明確な目的があったのに、後半では単にそれを楽しんでしまっている。その変化が描かれないので薄っぺらくなってしまった。

1731『クローバーフィールド/HAKAISHA』☆☆★★(劇場鑑賞9本目)
・2008年4月29日(初見・字幕・ワーナーマイカル浦和美園)
@内容はともかく「映画鑑賞体験」としては史上最悪。日本語字幕に視線を合わせていると何とか耐えられるが、字幕のない本国版を観た人はどうやって我慢していたのだろう。
Aとはいえ、ビデオテープの長さに合わせた時間的な制約、重ね録りされたビデオの下に映っていた映像、恋人を助けにいくプロットなど仕掛けはきちんと揃っている。
Bハリウッド版『ゴジラ』のDVD特典として15分ぐらいの企画モノでもよかったような作品がインパクトを持つのは、911の経験があったからだろう。NYで観る気にはなれない。

1732『シーモンスター3D』☆☆☆★★(劇場鑑賞10本目・3D立体上映)
・2008年4月29日(初見・吹替・ワーナーマイカル浦和美園)
@『クローバーフィールド』の口直しに観た。ナショナルジオグラフィック製作の教育プログラムなのでプラネタリウムにでも行く感じ。40分の上映時間も仕方がない。
Aドリーと省略される太古の海棲爬虫類の一生を、化石発掘の歴史と対比させながら説明する。

1733『相棒 −劇場版−』☆☆☆★★(劇場鑑賞11本目)
・2008年5月3日(初見・邦画・MOVIX川口)
@公開後最初の週末は満員御礼。しかも老若男女に偏りがなく「国民映画」といった印象さえあった。
A90分まではまさに「相棒祭り」といった感じで飽きさせない。レギュラー陣にもきちんと見せ場がある。だが、真犯人がわかり犯行の「理由」がはっきりすると途端に「犯行の目的」と「犯罪の内容」のバランスが取れなくなってくる。
Bどうせなら脚本チームも総力戦で、最後の30分の展開を櫻井武晴に任せていたら『踊る大捜査線』の第1作を上回る傑作になっていただろう。ただ、映画もシリーズ化されれば、そのうち傑作ができそうだ。昔の東映なら来年の正月には第2弾が出来てもおかしくないのだが。

1738『隠し砦の三悪人 THE LAST PRINCESS』☆☆☆★(劇場鑑賞12本目)
・2008年5月17日(初見・邦画・渋東シネタワー)
@真壁六郎太を演じる阿部寛が主演ではなく松本潤と長澤まさみを立てなければならなくなったとき、脚本家は何か別の物語「軸」を持ってくる必要性を感じたのだろう。奇しくもそれが『スター・ウォーズ』のルーク、もしくは『ロード・オブ・ザ・リング』のホビットだったということだ。
A「裏切り御免」のセリフは2回使われるが、1回目は明らかに旧作のファンに対してのもので、このセリフ以後は旧作を知っていてもまったく展開が想像できなくなる。そしておそらく2回目は松本潤のファンに対してのものだろう。
Bダース・ベイダー風武将役の椎名桔平の顔の疵はいったいどういう太刀筋で切られたのか?

1740『チャーリー・ウィルソンズ・ウォー』☆☆☆★★(劇場鑑賞13本目)
・2008年5月18日(初見・字幕・MOVIX川口)
@2大オスカー俳優共演のコメディ、という売り方はあまりにも酷すぎるが、かといってどう売ればいいのかわからない。実話だといわれれば返す言葉がない。
A最後に本人の言葉が引用されているとおり、これは「最後にしくじった」男の物語であり、そこがあまりにさらっと流されているので、この勝利が911への伏線になったという最大のメッセージを観客も受け取りようがなくなってしまった。
B前半のトム・ハンクスの演技はロジャー・ムーアを彷彿とさせて楽しいが、ラスト近くでの「涙」はムーアには演じられない。

1741『NEXT −ネクスト−』☆☆☆★★★(劇場鑑賞14本目)
・2008年5月23日(初見・字幕・新宿ジョイシネマ)
@「2分先の未来がわかる」=「2分先の未来を変えられる」主人公の映画なので、話の展開がまったく読めない。3人の脚本家の作業があえてうまく連携しなかったことの僥倖かもしれない。いずれにしても近年なかった徹底的なB級映画。
A自分に関係することだと2分だが、運命の女性リズに関係したことだともっと先まで予知できる。ここがミソ。ジェシカ・ビールはかつてのキム・ベイシンガー的な存在。ネイティブ・インディアンの血が入っているのかもしれない。
Bピーター・フォークまで登場した贅沢な映画。映画化ならではの難点を挙げれば、「予知」した内容を映像化しなければならないことだろう。本来の能力はもっと「直観的」でなければ、現在と2分後が混乱してしまうはずである。

1746『世界で一番美しい夜』☆☆☆★★★(劇場鑑賞15本目)
・2008年6月7日(初見・邦画・シネ・アミューズ)
@黒澤明が監督能力を小泉尭史、プロデューサー能力を長男の黒澤久雄に分割相続させたように思えるのに対して、今村昌平は長男天願大介に、脚本監督のみならず自分の作品を世に送り出す「しぶとさ」をも継がせたようだ。
A『おとなしい日本人』の「テロとヘビ男」のモチーフに、ひょっとすると『新宿桜幻想』のイメージも取り込んで、まさに「今村家秘伝」の映画が再臨した。
B2時間40分を飽きさせない傑作なのだが、★1つ分削ったのは『パフューム』に先にやられてしまったイメージがあることと、今後は海外の資本で思いきり撮ることも可能と思われるので、後のことを考えて抑え目に評価したから。

1758『インディ・ジョーンズ クリスタル・スカルの王国』☆☆☆☆★(劇場鑑賞16本目)
・2008年6月30日(初見・字幕・新宿プラザ劇場)
@ヒーローもヒロインもプロデューサーも監督も音楽も27年前から同じというのは記録的なことなのではないか。『スター・ウォーズ』新三部作や『ダイ・ハード4』の時には感じなかったのだが、人生のうちの27年間を架空のキャラクターが併走して生きていたと実感するのは人類史上いまだかつてないエンターテインメントのあり方なのではないかということに気づき、評価は甘くなった。映画は「時間の芸術」というが「年月の芸術」でもあることはこれまで誰も教えてくれなかった。
A内容的には冒頭の「冷蔵庫」以降、アラを探せばキリがないのだが、倉庫に眠っていた「聖櫃」や追いかけっこのプロセス、19年の溝を埋めようという気配りが脚本の端々から感じられて好感が持てる。
B1957年は「ロズウェル事件」から10年。スピルバーグもルーカスもすでに存在していた年代である。だからというわけではないが、この作品が『未知との遭遇』(あるいは『アンブリン』?)と『アメリカン・グラフィティ』につながるといったらいい過ぎだろうか?

1759『ランボー 最後の戦場』☆☆☆★★★(劇場鑑賞17本目)
・2008年6月30日(初見・字幕・新宿オスカー劇場)
@こちらはスタローンの孤軍奮闘映画だが、原題は「ロッキー・バルボア」に引き続いて「ジョン・ランボー」となっており、その潔さだけで点が甘くなる。26年前のあのささやかな第1作がここまで続くとは誰が予想しただろう。
A『インディ4』と同じ日に観るのは酷かと思ったが、案に相違して80年代ヒーローの見事な揃い踏みとなった。特にラストシーンは「インディ」に引けをとらない「原点への回帰」といっていい。
B90分3部構成の脚本は一言でいえば『地獄の7人』。まったくひねりのない「ヒット&ラン」で、弾着のCGがすさまじい以外は、どこまでも80年代B級スタイルで押し通している。

1763『クライマーズ・ハイ』☆☆☆★★★(劇場鑑賞18本目)
・2008年7月18日(初見・邦画・新宿アカデミー)
@「映画」を見せてもらったという感じ。こういう邦画を観られるのは日本人に生まれた特権である。
A事故の「第1報」をめぐる話だと勘違いしていたので、途中からは予断を許さない感じになった。「圧力隔壁」が原因ではないかという「北関東新聞社」始まって以来のスクープの行方は、非常に大人の描き方をされる。
B「あさま山荘事件」とも地理的な因縁があり、この手の題材を豪快かつ繊細に語りつくす手腕は「巨匠」の域に近い。

1769『ハプニング』☆☆☆(劇場鑑賞19本目)
・2008年7月26日(初見・字幕・渋東シネタワー)
@どちらかというと『サイン』というタイトルをつけるべきだったのは、こっちだったのではないか。ただ今回は宗教臭い話ではなく、どちらかというと環境問題のノリだ。
Aそれにしても「ヒッチコック劇場」なら30分で語ってしまった内容。往年の『鳥』を目指すような意気込みが欲しかった。せめて『宇宙戦争』でもいいから。
Bシャマラン監督がもはやこちらの期待に応える気がないことはわかっているのに期待してしまう愚かしさ。

1775『ダークナイト』☆☆☆☆★(劇場鑑賞20本目)
・2008年8月10日(初見・字幕・ワーナーマイカル浦和美園)
@同じ点数だが『インディ4』のような甘さはなく、現代の最先端のフィクションであるという評価。確かに5億ドルの価値のある内容。とはいえアメコミヒーローものでここまでやる必要があるのかという疑問は残る。他のシリーズにも多かれ少なかれ影響を与えるだろう。(特にダニエル・クレイグ版ボンド映画に水面下での影響が出そう)
Aイギリスではレーティングが低すぎるという苦情も出たらしい。直接描写は少ないものの「暴力」ははっきりと描かれている。子供に『ゴッドファーザー』を見せるかという視点で考えた方がいいぐらいだ。
B脚本のアプローチとしてはバットマンもジョーカーも実在することを前提に書いているような感じ。特に「バットマンの出張」にはこれまでにない新鮮さを感じた。唯一弱さを見つけるとしたら、ハービー・デントの「自分の見失い方」だろう。

1781『セックス・アンド・ザ・シティ』☆☆☆★(劇場鑑賞21本目)
・2008年8月16日(初見・字幕・ワーナーマイカル浦和美園)
@テレビシリーズをほとんど観てないが、4人の絶妙な関係もわかるし、ファンの期待に応えた脚本もわかるし、日本のドラマが安易にパクっていることもよく理解できた。
Aシリーズ開始から10年経ち、全員40代の設定なのでそれなりに限界に達した感もある。なぜか最年長のキム・キャトラルがいちばん若く見える。
Bラストまであと5分ぐらいのいちばんいいところで落雷により上映が中止。映画館で料金を払い戻してもらったのは、長い映画人生でも初めて。でもラスト5分の急展開で悲劇に変わるような映画ではない。

1786『スター・ウォーズ/クローン・ウォーズ』☆☆☆★(劇場鑑賞22本目)
・2008年8月30日(初見・字幕・渋谷TOEIA)
@TVアニメーションシリーズの最初の数話をまとめたものらしい。TVアニメにしては力が入っているが、これを100話観たいかといわれるとちょっと苦しい。てっきり実写のシリーズになると思っていたので残念。
Aジャバ・ザ・ハットの「息子」が誘拐され、分離主義派と共和国のそれぞれが救出を請け負う。その「息子」がちょっと愛くるしくて笑ってしまった。アナキンの「パダワン」になるアソーカもきちんとキャラを確立しているが、本編で必要とされる役どころではない。
Bアニメのタッチは散々議論したのだろうから特に文句はいわないが、残念だったのは音楽の編曲が中途半端だったことで、これで完全に入れ込みようがなくなってしまった。唯一「やっぱりスター・ウォーズなんだな」と感じたのが意外にも「宇宙の黒さ」。確かに「バックグラウンド」だけは同じなのだ。

1794『ウォンテッド』☆☆☆★(劇場鑑賞23本目)
・2008年9月20日(初見・字幕・渋東シネタワー)
@しがないサラリーマンが超人的な能力に目覚める「直球」の話かと思ったら、弾丸だけでなくストーリーも曲がる。とはいえ『ベスト・キッド』的な訓練を乗り越えて「フラタナティ」という組織の一員になる前半は恥ずかしくなるぐらいストレートな展開で悪くない。
A多分に『マトリックス』的な話なのだが、同じ映画オタクが作っても頭でっかちな話にならず、妙に「肉感的」なのが面白い。どんなダメージも回復する「風呂」の設定が一役買っている。
Bそれにしてもアンジェリーナ・ジョリーが「旬」を過ぎてしまった。もはやハイビジョンには耐えられまい。双子の出産の前か後かわからないが、あと数本が見どころだ。その後はミシェル・ファイファー的な年齢の重ね方になっていくのだろう。

1796『アイアンマン』☆☆☆★★★(劇場鑑賞24本目)
・2008年9月27日(初見・字幕・渋東シネタワー)
@『ウォンテッド』の半分の大きさのスクリーンで上映していたのだが、客の入りは見事に当たっていた。北米興収では「第4の男」といっていいこのヒーローは、スーパーマンとバットマンの中間的な設定。『ロボコップ』リメイクの話が浮上しているのもむべなるかな。内容的にも「業界スタンダード」的な出来栄えで「普通に」面白い。
A2時間を3部構成(アフガンからの脱出、スーツの開発、黒幕との戦い)にしているのでディテールは細かく描かれているがストーリーにきめ細かさがなく、『スパイダーマン』の脚本のように印象に残るプロットもないのが欠点といえば欠点。
Bそれにしてもロバート・ダウニー・ジュニアがこんな風に脚光を浴びるとは思わなかった。アイパッチをつけたサミュエル・L・ジャクソンのカメオ出演は逆に興ざめだったが、「アベンジャーズ」のような企画は『ダークナイト』とは方向性の違う「アメコミ映画の新たな展開」として興味深い。

1803『容疑者Xの献身』☆☆☆★(劇場鑑賞25本目)
・2008年10月13日(初見・邦画・ワーナーマイカル浦和美園)
@心配したとおりの出来になった。原作通りとはいえ例の「テーマ曲」が全然似合わないシリアスな内容なので、ドラマ『ガリレオ』色は一掃されている。脇役たちもほとんどカメオ出演でしかなく、原作を読んでいる人間まで楽しませる余裕がない。
A画的な寂しさを補うために冒頭の大実験シーンが組み込まれたのだろうが、TVスペシャル同様、もう一本短編を組み込んで、もっと内海が絡んでこれる内容にすればよかった。
B湯川と石神の1対1の真剣勝負になれば、杉下右京ばりに「チェスを打つ」感じも生まれたが、石神はそもそも勝負を望んでいない。だから「愛を知った数学者」に対して、「愛がわからない物理学者」が一方的に挑戦しているように見える。堤真一も松雪泰子も、あまりに記号的な役柄に演技する余地がなかったが、それでも存在感は十分だった。ただ、最後の石神の涙は「悲しさ」よりも美しさを壊された「怒り」の涙のように表現されていたと思う。

1804『ナイトメアー・ビフォア・クリスマス3D』☆☆☆(劇場鑑賞26本目・3D立体上映)
・2008年10月13日(初見・吹替・ワーナーマイカル浦和美園)
大金をかけて「立体映像化」しても「3D的演出」がないとあまり効果がない。上映前の『ボルト』の予告編と比較してそう思った。ただし、もともとが人形アニメーションなので、質感の向上には役立っている。音楽は当然のことながら15年前の「絶頂期」のダニー・エルフマンだが吹替だったのが残念。日本語の詞も子供にはわからなかっただろう。

1805『ゲット・スマート』☆☆☆★★(劇場鑑賞27本目)
・2008年10月18日(初見・字幕・ワーナーマイカル浦和美園)
@公開2週目の土曜日だというのに観客が4人しかいなかった。最近のハリウッド映画はこのクラスの作品に掘り出し物が多いのだが、そもそも『それ行けスマート』が知られていなければ誰のアンテナにも引っかからないだろう。
Aブロスナン時代を中心にボンド映画をよく研究している。またかつての『ムーンレイカー』のスカイダイビングスタントをトレースし、ひねりを加えて再現しているのもすごい。「ジョーズ」風の悪役はご愛嬌。
Bアラン・アーキン、テレンス・スタンプ、ジェームズ・カーンも大真面目に参加しているし、何よりいよいよ「旬」を迎えたアン・ハサウェイを観る映画としても価値がある。

1810『センター・オブ・ジ・アース3D』☆☆☆★(劇場鑑賞28本目・3D立体上映)
・2008年10月26日(初見・吹替・ワーナーマイカル浦和美園)
@「立体映画」としての評価なので意外と辛口。ちょっとやそっとでは驚かなくなった。もっとも「ポケモン」の誤上映があったのには驚いた。いろいろ起こる映画館である。
A気がついた「立体演出」。まず水中の映像は遠近感がはっきりする。「気泡」が比較対象になるからかもしれない。地平線に小さく見える人影というのもよかった。恐竜の頭部のようなドデカ演出も悪くない。エンドクレジットにずっと浮かびつづけたダイナマイトのように何かが浮遊している感じもいい。
B周囲の子供の反応がさまざまで面白かったが、内容的には子供向き。そろそろタランティーノやチャン・イーモウに遊んでもらいたい。

1811『ICHI』☆☆☆(劇場鑑賞29本目)
・2008年11月1日(初見・邦画・渋谷TOEIA)
@サービスデーだったことを忘れていて、とりあえず時間が間に合いそうなところに飛び込んだ。主演・脚本・音楽が女性。綾瀬はるか主演というのは確かにキャスティングの妙だ。
Aだが、主人公以外のキャストが薄っぺらく見えるところまで踏襲しているのはどうか。そこそこの役者が集まっていると思うのだが、誰一人いつものオーラがない。
Bいちばんの問題は「刀が抜けない浪人」をどう表現するかだ。封印されているわけでもなし、抜いてある刀でも闘えない根拠が示されなければ、本当の「臆病者」でしかないだろう。

1812『崖の上のポニョ』(劇場鑑賞30本目)
・2008年11月2日(初見・邦画・ワーナーマイカル浦和美園)
すさまじいエネルギー。本気で5歳の子供に見せようと思ったら、これだけのエネルギーが必要なのだろう。それが出せるのだからすごい。「8歳以上お断り」と宣言されたような気がした。20年ぶりの「トトロ」の改訂版でもあり、いよいよ終わりのような予感。

1813『イーグル・アイ』☆☆☆★(劇場鑑賞31本目)
・2008年11月3日(初見・字幕・ワーナーマイカル浦和美園)
@監督・主演コンビの前作『ディスタービア』が『裏窓』だとすると、今回は当然『知りすぎていた男』。次に『めまい』のリメイクができたら、シャイア・ラブーフはヒッチコック映画におけるジェームズ・スチュアートの現代版ということになる。
Aスピルバーグがやりたかった理由も「イーグル・アイ計画」の正体とともにわかる。今回はシンプルな3部構成だが、スピルバーグが演出したらもう少し複雑な(あるいは過剰な)構成になったかもしれない。
Bかつての『ゲーム』と同様、計画する側の視点で考え直した場合にあまりに「無用の手」が多いのが難点。男の方はともかく、女が選ばれる必然性に欠けるし、「人間のやることもコントロール次第で機械並みに正確になる」という前提が不自然。

1821『地球が静止する日』☆☆☆★(劇場鑑賞32本目)
・2008年12月21日(初見・字幕・ワーナーマイカル浦和美園)
「予告編ですべてが語られる」映画。キアヌのキャスティングは悪くないし、謎の球体のイメージもいいが、いかんせん静止した地球がこれから生きていく方法が秘密のままだ。

1823『K−20 怪人ニ十面相・伝』☆☆☆★★(劇場鑑賞33本目)
・2008年12月31日(初見・邦画・ワーナーマイカル浦和美園)
「白組」のCGも音楽もアクションも悪くない。だがここまでのレベルに達したのであれば『スパイダーマン』第1作のようにドラマ部分のプロットにも一流さを求めてほしい。
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【映画2000本ノック】2008年の残り10本

2009/01/02 14:59
▼2008年は合計131本を記録に残した。そのうち映画館で観たのが33本、まるで学生のような生活だな。とはいえ年間40本の目標が達成できなかったので、今年も3年目の挑戦をします。

傾向として顕著だったのが、ドラマを観た本数が増えてきたこと。2007年が8シリーズ・145エピソード(大河ドラマ『風林火山』の50本を含む)だったのに対して、2008年は『篤姫』を観なかったのに13シリーズ・177エピソード(ただし『相棒』のシーズン1〜3を観たのでこれも約50本あるが)に増えた。

ダントツに良かったのが倉本聰の『風のガーデン』、ダークホースが『ゴンゾウ』、海外ドラマでのオススメはやはり『HEROES』のシーズン1だったのだが、残念ながらシーズン2にはガッカリさせられた。『ダメージ』にも悪い意味で裏切られました。

現在ハマっているのが、『NUMBERS:天才数学者の事件ファイル』『BURN NOTICE』。1シーズンが13話未満だとホントに助かります(笑)

1823『K−20 怪人ニ十面相・伝』☆☆☆★★(劇場鑑賞33本目)
・2008年12月31日(初見・邦画・ワーナーマイカル浦和美園)
「白組」のCGも音楽もアクションも悪くない。だがここまでのレベルに達したのであれば『スパイダーマン』第1作のようにドラマ部分のプロットにも一流さを求めてほしい。

1822『サイレンサー 沈黙部隊』☆☆☆
・2008年12月29日(初見・字幕・ぽすれん)
予想外に年130本も観て疲れた。こういうチープなものも楽しめない。ビッグOの「死の灰作戦」なんて昔はわくわくしたのになあ。ディーン・マーチンの疲れがよくわかる。

1821『地球が静止する日』☆☆☆★(劇場鑑賞32本目)
・2008年12月21日(初見・字幕・ワーナーマイカル浦和美園)
「予告編ですべてが語られる」映画。キアヌのキャスティングは悪くないし、謎の球体のイメージもいいが、いかんせん静止した地球がこれから生きていく方法が秘密のままだ。

1820『風のガーデン』
・2008年12月19日(初見・ドラマ・全11回)
今年観たドラマのなかで日本のこのドラマが一番だといえるのがうれしい。緒方拳の遺作にもなり、凄みさえ感じる奇跡の作品。とはいえ中身はまったくケレン味のない自然体。

1819『デルス・ウザーラ』
・2008年12月6日(初見・字幕・BS2)
ちょっとだけ観るつもりだったのだがやはり最後まで観てしまった。デルスが「町」にいる時間がもっと長いような気がしたがそうでもなかった。「ハイジ」と混同したようだ。

1818『ローグアサシン』☆☆☆
・2008年12月6日(初見・字幕・WOWOW)
ジェーソン・ステイサムが出てくれば何でも面白いわけではないらしい。「ローグ」の正体に捻りが効いているのだが、そもそもそんな期待をしていない。石橋凌も生かされず。

1817『ザ・コーポレーション』
・2008年11月30日(初見・ドキュメンタリー・ぽすれん)
どうしてこの映画の存在を知ったのかさえ忘れてしまった。「法人」というぐらいだから人格の分析もできるだろうというアプローチは面白いが、BS1でやっていそうな内容。

1816『NUNBERS:天才数学者の事件ファイル シーズン1』☆☆☆★★★
・2008年11月24日(初見・ドラマ・全13回)
『数学で犯罪を解決する』という本を先に読んだのだがドラマ本編も期待を裏切らない。数学を勉強しておけばよかったと思わせる。ただし、シーズン2も面白いかどうか不安。

1815『アポロ13』☆☆☆☆
・2008年11月9日(初見・字幕・ぽすれん)
会社の研修で薦められる。なぜ観ていなかったのかわからない。旬なキャストにタイトなストーリー、しかも実話とあってはケチのつけようがない。映像も全く劣化していない。

1814『HEROES シーズン2』☆☆☆★
・2008年11月8日(初見・ドラマ・全11回)
大量のヒーローが消費されて誰が生き残るかわからなかったシーズン1の面白さは影もなく、結局このメンバーで話が進むのねという感じ。田村英里子の登場も途中までだった。
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【全米映画興行成績】2008年のベスト20

2009/01/01 12:15
Box Office Mojo の12月29日付ドメスティックランキングを参考に、恒例の【全米映画興行成績】年間ベスト20を振り返ります。(ちなみに昨年のベスト20はこちら

1 ダークナイト $530,917,814(1週目$158,411,483)
・鑑賞済。乱立するアメコミ映画のスタンダードを変えてしまった映画。今後スーパーマンやスパイダーマンの企画がどう方向性を変えていくのか楽しみになってきた。ちなみに去年の1位スパイダーマン3は $336,530,303(1週目$151,116,516)だった。

2 アイアンマン $318,313,199(1週目$98,618,668)
・鑑賞済。これが今のアメコミ映画の標準的な勝ちパターン。だが、こちらも『アヴェンジャーズ』というヒーロー連動企画を打ち出して「ウルトラ兄弟」化を狙ってきている。

3 インディ・ジョーンズ/クリスタル・スカルの王国 $317,023,851(1週目$100,137,835)
・鑑賞済。個人的には「27年かけた1つの映画的体験」という意味で大満足だ。とはいえ去年の3位トランスフォーマーは $319,246,193(1週目$70,502,384)だった。

--------------------3億ドルライン↑--------------------

4 ハンコック $227,946,274(1週目$62,603,879)
・未見。『アイ・アム・レジェンド』といい、「個人的なヒーロー映画」に強い役者だ。

5 ウォーリー $223,783,432(1週目$63,087,526)
・未見。CGアニメはピクサーが制した。「予告編」をまったく裏切らない内容だろう。

6 カンフー・パンダ $215,434,591(1週目$60,239,130)
・未見。ドリームワークスはヒット2連発。こっちも当然「2」が作られるんだろうな。

--------------------2億ドルライン↑--------------------

7 マダガスカル2 $175,433,314 (1週目$63,106,589)
・未見。というわけでCGアニメはまったく無視している。これも今年は観ないだろう。

8 トワイライト〜初恋〜 $169,925,169(1週目$69,637,740)
・未見。「ハリー・ポッター」不在を埋めた新しいシリーズ。制作費もほどほどで良い。

9 007/慰めの報酬 $164,302,659(1週目$67,528,882)
・未見。1週目はシリーズ1位の記録。だが、最終的に前作を超えるかどうか不安あり。

10 ホートン 不思議な世界のダレダーレ $154,529,439(1週目$45,012,998)
・未見。これでベスト10のうち4本がCGアニメということになる。去年を上回った。

11 セックス・アンド・ザ・シティ $152,647,258(1週目$57,038,404)
・鑑賞済。映画館が落雷で停電になって、ラストの5分が観られなかった記憶しかない。

-----------------1億5000万ドルライン↑-----------------

12 マンマ・ミーア! $143,762,955(1週目$27,751,240)
・未見。世界興収ではもっと上位だ。ピアース・ブロスナンの久々のヒット作でもある。

13 ナルニア国物語 第2章:カスピアン王子の角笛 $141,621,490(1週目$55,034,805)
・未見。この数字でも大コケといっていい。「第3章」は早くも暗雲が立ち込めている。

14 インクレディブル・ハルク $134,533,885(1週目$55,414,050)
・未見。こんなにすぐリメイクされると思わなかった。こちらは順調に続編ができそう。

15 ウォンテッド $134,327,125(1週目$50,927,085)
・鑑賞済。どうも『ジャンパー』と話が混乱する。どちらも非常に「閉じたアクション」

16 ゲット スマート $130,319,208(1週目$38,683,480)
・鑑賞済。この種の映画がここまでヒットするのはうれしいのだが、去年の同位がダイ・ハード4.0 $134,529,403(1週目$33,369,559)だと思うと少々複雑な気持ち。

17 Four Christmases $113,268,992(1週目$31,069,826)
・未見。旬は過ぎたかなと思っていたリース・ウィザースプーンが年末に底力を見せた。

18 トロピック・サンダー/史上最低の作戦 $110,461,307(1週目$25,812,796)
・未見。予告編以上のものは期待しないが、トム・クルーズの怪演というのが気になる。

19 ボルト $104,521,656(1週目$26,223,128)
・未見。日本国内での3D上映の今年1発目はこの映画になるだろう。アニメでも観る。

20 ハムナプトラ3 呪われた皇帝の秘宝 $102,277,510(1週目$40,457,770)
・未見。やっぱり予言どおり「3」は「2」を超えられなかったでしょう? それにしてもここまで落ち込むとは。主演のブレンダン・フレイザー的には21位の センター・オブ・ジ・アース 101,704,370(1週目$21,018,141)と合わせて1本になるだろう。

▲以下、22位に『イーグル・アイ』が入り、1億ドルラインは昨年の27位から24位まで上がってしまった。ちなみに25位は『紀元前1万年』

100年に一度といわれる恐慌が訪れた2008年、年間の北米興行成績は95億8000万ドルと、昨年の96億6000万ドルを若干下回ったものの、壊滅的打撃というわけではなかった。むしろクリスマスの興行などは例年にない賑わいで、不況に強いハリウッドという印象を強くした。

とはいえ、大規模なファンタジー映画の続編など、リスクの高い投資が敬遠されて、それでなくてもネタ切れのつづいている状態にさらなる打撃が来そうだ。まあ、その分アイディア勝負の新しい作品が登場するチャンスが増えたともいえる。

2007年の「3」、2008年の「4」につづいて、2009年のキーワードはまた「3」に戻る。「3」とはいっても「パート3」ではなくて「3D立体上映」のこと。日本でも『ボルト』にはじまり、12年ぶりのジェームズ・キャメロンの新作『アバター』で新しい時代の幕開けを迎えるのではないかと期待。個人的には当然『007/慰めの報酬』がいちばん観たい映画だけれども。
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